
Q1:校倉式工法の適用範囲はかなり広いようであるが、木材の利用工
法である以上設計になじまない条件もあるだろう。避けるべき条
件等について聞きたい
校倉式工法は、間伐材を利用した工法であるため、
施工対象地の自然条件、構造物の設計条件等から、現地に適さない場合が
あります。今までの説明も含めて、適用を避けるべき条件を整理すると、
次のようになります。
A2:避けるべき自然条件
(1)土石流の発生が予測される渓流及び河川
木製構造体であり、土石流が発生すれば土石の流送による木材自体の磨耗
石の衝撃による損傷、法狂い等の恐れがあります。
(2)落石、崩壊等の発生する無処理斜面の直下
落石の直撃による前面壁材の折損や、斜面の深層崩壊等による異常土圧が
発生し、転倒に至る場合が懸念されます。
(3)最大洪水量の多い河川を横断する両盛土の箇所
横断箇所の暗渠工等の断面積が、1u 以上となるような現場で、盛土の上
流側擁壁を校倉式で施工した場合、浸透水により盛土が洗流され、路体沈
下の恐れがあります。
A3:避けるべき設計条件
(1)擁壁工の直高が4.0m以上、ダムタイプで直高が5.0m以上となる場合は、
原則として設計致しません。安定計算上は、前記以上であっても特に問題
ありませんが、木材は乾燥収縮・含水膨張等が比較的大きい素材と言えま
す。また、収縮・膨張率は樹種、樹齢、年輪幅等によって差異があります。
@文献によりますと、スギの場合で含水飽和状態〜含水率15%までは
・半径方向に対し 1.10%
・繊維方向に対し 0.03%
程度の収縮・膨張率があるとされています。
A当社では、これを参考とし若齢の間伐材であることも考慮して
・半径方向に対し 1.50%
・繊維方向に対し 0.05%
を一般的な標準として、構造物の安全施工に配慮しております。
以上のことから、当面は原則的に直高4.0m以上の擁壁と、直高5.0m
以上のダム工は設計しないことにしているものです。
(2)盛土高が5mを超える場合
安定計算に影響する盛土高が、5.0m以上となる場合の構造断面は、現在
のところ検定しておりません。従って、盛土高が5.0mを超える事案につ
いては、別途検討することとし、当面は5.0m以下の箇所でご採択頂きた
いと思います。
(3)曲線部の最小半径が10m以下となる箇所
前記6−Q2−A1で説明した理由により、曲線部の施工は原則としてR
=10.0m以上の箇所に限定しております。 |