
Q1:木製構造物に使用する木材の直径は、
工種によってどのように区分しているのか。
A1:木材利用工法における部材の径を、当社では次の理由から原則的に
φ90mmとφ120mmの2種類としています。
(1)加工上の理由
@工場でのプレカット製品とするには、材径の規格をできるだけ単純化
した方が効率的であること。
A防腐・防蟻剤の注入方法を、木材の圧縮加工→加圧注入方式としてお
り、
所要の薬液浸潤量を確保するには、材径120mm程度までが最も効
率的であること。
(2)市場での流通性
間伐材は、末口径150mm程度以下の径級材が本数的に最も多く、流通性、
材価面等から入手が容易であること。
A2:工種別の材径
(1)試験結果による材径別の許容応力度
スギ材の直径別強度等の試験結果は、次のとおりです。
| 樹種別規格 |
ヤング係数 |
曲げ応力度 |
せん断応力度 |
引張応力度 |
スギφ90mm |
64.6kg/cm2 |
63.0kg/cm2 |
4.92kg/cm2 |
69.5kg/cm2 |
スギφ120mm |
70.0kg/cm2 |
88.8kg/cm2 |
8.1kg/cm2 |
101.9kg/cm2 |
(奈良県林業試験における試験結果)
上表にも明らかなように、使用部材の許容応力度は、φ90mmよりφ120mm
の方が大きい値となっています。従って、構造物にかかる外力が同一であ
る場合には、部材としての安定性は、直径の大きい方が安全度は高くなり
ます。
(2)部材の磨耗
@土留擁壁の場合
擁壁の背面及び上部斜面は、法面緑化等によって被覆され安定します。
また、前
面壁を損傷するような外力(土砂の滑落による部材の磨耗等)
は考慮していません。
このため、安定計算上に問題がない限りφ90mm
の部材で設計することにしています。
Aダム工、護岸工等(渓間工)の場合
洪水時における濁水には、砂礫を含む場合があります。 しかし、流水
中に混入する砂礫の密度、粒径、岩質、形状等に大きな差異があるため、
砂礫の流送等による木材磨耗の試験調査のデータは見当
たりません。
このため、φ90mmよりもφ120mm材の方が、磨耗に対して安全性が高い
と判断されますので、ダム工、護岸工、根固工等の渓間工事はφ120mm
の部材で設計することにしています。 |